災害時の感染症予防について |
近年の日本では、地震や津波、台風、豪雨などの大規模な自然災害が多く発生しています。一般的に、被災直後は破傷風などの外傷に伴う感染症のリスクが高まります。実際、2011年3月11日の東日本大震災では、宮城県や岩手県を中心に10例の破傷風の発生報告がありました。そのため、外傷後の感染症…特に破傷風を予防することが大切となります。
破傷風は、傷口から侵入した破傷風菌の出す毒素によって発症する感染症です。重篤な場合は神経麻痺や筋肉の激しいけいれん、呼吸困難などを引き起こし、死に至ることがあります。そのため、外傷を負った際には創傷の程度にかかわらず適切な創傷治療が必要で、破傷風を発症した場合には迅速な初期治療が重要です。しかし、災害時の医療資源が限られる中では、早期対応が難しいと考えられます。
破傷風はワクチン接種で予防可能な疾患です。破傷風ワクチンは定期接種である「4種混合ワクチン(DPT-IV)」に含まれていますので、災害が起きる前にできる防災・減災対策のひとつとして、きちんとワクチン接種を受けておくことが大切です。 |
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